「ユーザーを作ってドメインに参加させたけど、全員同じ設定になってしまう……」
Vol.1でAD環境を構築した方なら、次にぶつかる壁がこれです。Active Directoryの真価は「誰に・何を・どこまで許可するか」を設計して管理できることにあります。OU・GPO・グループはその設計を実現するための3つの柱です。
AD演習編 Vol.2では、Vol.1で構築したnlab.local環境を使って、この3つを実際に手を動かしながら設定していきます。
OU・GPO・グループ——ADの「設計」を体験する
Vol.1でドメインコントローラーを構築してドメイン参加まで完了した方は、「ADの環境は作れた」という状態です。しかしそれは「ADを使える状態にした」に過ぎません。
現場のAD管理で本当に重要なのは、誰がどのリソースにアクセスできるか・どんなポリシーが適用されるかを設計・管理できることです。
- 部署ごとに異なるパスワードポリシーを適用したい
- 一般ユーザーにはコントロールパネルを触らせたくない
- ユーザーとコンピュータを用途ごとに整理して管理したい
これらはすべてOU・GPO・グループを組み合わせることで実現できます。Vol.2はその設計を実際に体験する演習です。
ADの設計の考え方については「Active Directoryとは?Windows認証基盤の仕組みと設計の基本」「ADのドメインとOU設計」「GPO設計入門」を先にご覧ください。
Vol.2で作る環境と学べること
演習の構成——Vol.1の環境をそのまま使用
Vol.2はVol.1で構築した環境(DC01・CLIENT01・nlab.localドメイン)をそのまま使用します。追加のソフトウェア・費用・クラウド環境は不要です。
| 設計要素 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| OU | Users_General / Computers_General / Groups | オブジェクトを用途別に整理する |
| グループ | G_TestUsers(セキュリティグループ) | ユーザーをまとめて権限を付与する |
| GPO | パスワードポリシー・デスクトップ制限 | OU単位でポリシーを一括適用する |
Vol.2で体験できること
- OUを設計してGUIで作成する
- ユーザー・コンピュータを適切なOUに移動する
- セキュリティグループを作成してユーザーを追加する
- GPOを作成してOUにリンクする
gpresultコマンドでGPOの適用状況を確認する
手順書の特徴——詰まらせない工夫
全43ページの手順書は、Vol.1と同じ設計思想で作成しています。
- スクリーンショット付きの手順:画面の状態を確認しながら進められる
- 確認ポイントの明示:各ステップで「ここまでできていればOK」を明示
- よくあるミスと対処法:詰まりやすいポイントをトラブルシューティングとしてまとめ
- コラム形式の補足:実務との連動・PowerShellでの操作方法を補足
所要時間の目安は約2〜3時間です。
こんな方に向いています
- AD演習編 Vol.1を完了して次のステップに進みたい方
- OUとGPOの関係を実際に手を動かして理解したい方
- グループポリシーを設定したことがなく、基本から体験したい方
- 実務でADを管理しているが設計を体系的に学んだことがない方
前提条件:AD演習編 Vol.1を完了していること(nlab.localドメイン・DC01・CLIENT01が稼働中)
動作環境(推奨):RAM 16GB以上 / ストレージ空き120GB以上 / CPU 4コア以上
ADのグループ管理の考え方については「ADのユーザーとグループ管理|最小権限を実現する設計パターン」も参考にしてください。
Vol.3以降の予告——シリーズの全体像
AD演習編は全5巻構成です。Vol.2で構築した環境はVol.3以降もそのまま使用します。
| Vol | テーマ | 状態 |
|---|---|---|
| Vol.1 | VirtualBoxでAD環境をゼロから構築する | 販売中 |
| Vol.2 | OU・GPO・グループを設計して適用する | 販売中 |
| Vol.3 | 特権アカウントを設計してTierモデルを実装する | 準備中 |
| Vol.4 | 攻撃手法を体験する(Pass-the-Hash・Kerberoasting) | 準備中 |
| Vol.5 | イベントログで攻撃を検知・分析する | 準備中 |
Vol.3では「特権アカウントの設計とTierモデルの実装」に踏み込みます。管理者権限の分離という、現場で最も重要なセキュリティ設計を体験する内容です。
特権アカウントの設計の考え方については「AD特権アカウントの設計|Tier0保護と管理者アカウント分離の実務」を先にご覧ください。
まとめ——設計を「知っている」と「できる」は全然違う
ADの設計は概念を理解するだけでは現場で使えません。実際に手を動かして「OU作成→ユーザー配置→GPOリンク→適用確認」の一連の流れを体験することで、設計の勘所が身につきます。
Vol.2はVol.1で作った環境の上に「設計の層」を積み上げる演習です。ぜひVol.1から続けて取り組んでみてください。
AD演習編 Vol.2はBOOTHにて販売中です。
AD演習編 Vol.1については「【ハンズオン】VirtualBoxでActive Directory環境を ゼロから構築する演習コンテンツを公開しました」で詳しく紹介してます。
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